2021/09/17
日本酒とは何でしょう?お酒に少し詳しい人なら「米からできた醸造酒」と答えるかもしれません。あらためて調べてみると、「日本酒」は実はもっと特別なものだということがわかりました。その魅力を海外の日本酒ファンにもっと深く知ってもらい、さらに日本酒をあまり飲まない人にも伝えることができたら、ワインやビールなどのように、海外でも「今日何飲む?」の答えの一つに、日本酒があがる日も近いかもしれません。
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酒類の地理的表示制度は、WTOにおけるTRIPS協定により知的財産権として認められた制度であり、海外でその名称を保護し、さらには「日本酒」の輸出促進に大きく貢献しています。
お酒の地理的表示と言えば、ボルドーワインやスコッチウイスキーなどが世界的に有名ですが、日本酒においては、その製造過程が日本の四季と深く結びついていること、日本独自の稲作の発展や豊富な飲用に適した水のおかげでほぼすべての都道府県で生産されていること、何世紀にもわたる技術向上の努力を反映させたものとして現在の製法が確立していること、そしてそのブランド価値向上や輸出促進を図ること、などの観点から、国税庁は2015年12月25日に地理的表示「日本酒」を指定しました。
アルコール飲料全体の国内出荷量は、全体ではやや減少傾向で推移しており、消費者の志向の変化等により、酒類ごとの割合においても変化が見られます。酒類別の国内出荷量は近年では、日本酒、焼酎、ビールなどが減少する一方で、チューハイなどのリキュール、ウイスキーなどは増加しています。
国内出荷量の推移を日本酒の種類別に見ると、純米吟醸酒は2013年 から出荷量を伸ばし続けていましたが、新型コロナウイルス感染症(以下コロナウイルス)の流行以降減少に転じています。
日本酒の輸出金額は2020年に約241億円となり、2010年から11年連続で過去最高を記録しています。
好みの日本酒を選ぶのは日本人でもむずかしいかもしれません。外国人消費者の場合はどうでしょう?産地の地名になじみがなく日本酒独特の表現ゆえに、味をイメージするのはとてもむずかしいと思います。そういった商品選びのむずかしさが、日本酒がワインのように広まらない一つの理由だと考えられます。 日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)と国税庁は、2019年8月に海外の消費者が日本酒を理解しやすく、相互に比較しながら選択しやすいよう、輸出用「標準的裏ラベル」及び「表記ガイド」を開発しました。その輸出用「標準的裏ラベル」には、JFOODOが実施した全調査結果に基づいて、消費者が日本酒を購入するにあたって重要度が高い6項目と興味・関心度が高い2項目を合わせた、全8項目を優先的に記載することを推奨しています。
この標準的裏ラベルがあると、ワインを「ブルゴーニュ地方のピノ・ノワールのライトボディは…」と選ぶように、海外の消費者も好みの日本酒を探しやすくなるでしょう。
さらにJFOODOは今年 2021年の4月、その標準的裏ラベルデータ制作システムの提供も開始すると発表しました。このラベルのカスタマイズを希望する事業者には、標準的裏ラベルのaiデータひな型をダウンロードできるようになっているため、QR Translatorで発行したQRコードを配置し、ラベル以外の多言語での情報や銘柄のイメージ画像やストーリーの紹介、別途作成した動画への誘導なども可能になります。
標準的裏ラベルにより味のカテゴライズはしやすくなりますが、その次に海外の日本酒ファンが求めるのは、「どんな場面で、どんな食事と、どんな酒器で」このお酒を楽しむか、という特別感です。地酒を提供する日本の料理店では、注文したお酒を客の目の前で注ぎ、注ぎ終わった後しばらくの間その瓶をテーブルやカウンターに置いておく、というお店が多くあります。
そのラベルを見ながら、「産地はどこだ」「酒米は何を使っている」はたまた「何番酵母だから香りが穏やかだ」などとうんちくを言ったり、「ラベルのデザインがかっこいい」などと話をしたりするのも日本酒ツウの楽しみの一つではないでしょうか。海外でもこのような「飲み比べ」や「利き酒」と言った文化を楽しむ人が増えています。
日本酒ツウの外国人消費者にとって、酒蔵のストーリーや銘柄のこだわり、ペアリングの日本料理のレシピや日本の美しい酒器で味わう様子などの画像が見れるや多言語コンテンツがその場で見ることができられれば 、それは一つの体験として残り、日本酒ファンの拡大につながるかもしれません。
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