2018/04/18
みなさんの会社ではどのような英文社名を使っていますか?
先日、社内でどのように表記する(翻訳する)のが正しいのか話題になり、調査してみました。
現状、PIJINは「Co., Ltd.」の表記を採用していますが、「Co.,」と「Ltd.」の間にスペースは必要なのか?「Co.,」の最後にあるカンマはいらないのではないか?そもそも「Co., Ltd.」は間違っているのではないか?という感じで、正しい回答を出すことがすぐにできませんでした。
すでに決まっている企業も多いと思いますが、これからホームページ等の多言語化の際に社名の翻訳が必要になる方のためにも、いろいろ調査した結果をご紹介します!
このページの目次
会社や事業のグローバル化が進む今日、会社名の英語表記をどうするか。どの表記が正しいのか。有名な株式会社が使っている表記だからそれと同じで良いのではないか?など、迷われる方も多いと思います。
まずは、英文社名の種類や各表現を決めるにあたって、日本語での意味合いについて知っておく必要があります。
会社は大きく分けて、「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類に分けられます。国税庁が調査した「平成27年度分 会社標本調査」によると、94.3%が「株式会社」だそうです。
今回は一番数が多い「株式会社」の英語表記を中心に調査します。
株主から委任された経営者が必要な資金を調達して事業活動を行い、利益を株主に配当する会社のことです。
株式会社の特質は、(1)法人格、(2)出資者(株主)の有限責任、(3)持分の自由譲渡性、(4)取締役会への経営権の委任(所有と経営の分離)、(5)出資者(株主)による所有の5点にあるとし、この五つを兼ね備えたものが株式会社の基本形であるとする。 ーwikipedia 「株式会社」
英語表記するにあたり、重要になってくるのは、「(2)出資者(株主)の有限責任」の部分です。
資本金300万円以上、社員数50人以下の会社のことです。但し、2006年に施行された新会社法によって、新たに有限会社は設立できなくなりました。法施行以前に設立された有限会社はそのまま継続できますが、株式会社の一部として扱われます。
日本語では「株式会社」と「有限会社」が区別されていますが、有限会社は日本特有の会社形態の為、英語では特に区別されることなく表記されます。つまり、「有限会社」でも英語表記する場合は、「株式会社」と同様の表現方法で問題ありません。
会社の種類がわかった上で、英語表現で使われている種類を見ていきます。
ちなみに「Co.」や「Ltd.」の最後につけている「. (ピリオド)」は、省略形という意味です。「Mr.(Mister)」「Feb.(February)」「Ave.(Avenue)」「Mt.(Mountain)」等はよく目にする表現ですね。
「Co.」は「Company」の省略形。
単なる事業形態を示す為、「株式」や「有限」である意味は含まれていません。
「Ltd.」は「Limited」の省略形。
「責任に限りがある(=有限)」ということで、「有限責任」を意味します。
イギリスでは「Limited」の表記が企業登記の際に必要な表現の為、イギリスでは一般的に使用されています。
「Company」だけでは「会社」の意味ですので、「Limited」を付けることで、「有限責任のある会社(株式会社)」という意味になります。
「Co.,」と「Ltd.」の間には半角スペースを入れるのが正しい表記方法です。
但し、「Co.」と「Ltd.」の間にカンマ「,」は入れなくてもOK。
アメリカやイギリス等の英語圏ではカンマ「,」を入れている企業は少ないですが、日本では一般的にカンマを入れる風習があります。実際に多くの企業で「Co., Ltd.」の表記が使われているため、カンマが入っていれば「日本企業かな?」とイメージさせることができる場合もあるそうです。
「Corp.」は「Corporation」の省略形。
法律で定められた手続きを済ませ、法人格が与えられた事業組織を表します。また構成員は有限責任である意味を含むそうです。
「Corporation」は「Incorporated」と比べると広義で会社を意味することもあり、合弁会社や合資会社なども含まれるため、本格的な大きなビジネスというよりは「比較的少人数で事業をしている」という感じに受け取られる可能性もあるそうです。
「Inc.」は「Incorporated」の省略形。
「Incorporated」は「Corporation」と同様の意味合いで使われますが、「In-(Into-)」がついている意味として、法人化の手続きを行っているプロセスに主体をおいており、多数の株主を持つ大きな事業組織(またはそれを目指している事業組織)に使われることが多いようです。「Corporation」とは異なり、現在進行形でビジネスを行いながら大きな事業組織にしているイメージになると思われます。
アメリカでは、Incorporated(Inc)の方が一般的であるため、採用している企業が多いようです。
上記の通り、企業名を表現する英単語には色々な表記方法があり、最終的には各社の判断を優先する必要があります。翻訳会社に依頼をしたとしても提案はしてくれるものの、最終的には各社の判断になります。
また、法人の定義は各国の法律で定められており、形態は様々なので、世界共通で認識が一致する表記方法はないようです。
日本の大手企業も同じ表現はされておらず、各企業バラバラです。
したがって、企業名を英語表記する際には、どの表記方法が自社を表しているのか改めて確認し、今後のグローバル展開で社名で損をせずに、発展に繋がるような表記を選択した方が良いですね。
日本で登記をする際には、ローマ字や符号も使えるそうです。
平成14年の商業登記規則等の改正により,商号の登記について,それまでできなかったローマ字その他の符号を用いることができるようになりました。 商号にローマ字等を用いることについて ー法務省
ただ、すべてを英語表記で登記することはできないので「PIJIN Co., Ltd.」はつかえません。登記する時は「株式会社PIJIN」となります。
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