交通機関の決済方法
近年日本では、鉄道やバス、モノレール等の交通機関はIC乗車券での利用が一般化してきています。
関東ではPASMOやSuica、関西ではICOCA、九州ではSUGOCA等、地域によって流通しているICカードの種類は異なるものの、最近はどのICカードでも全国的に使えるようになってきています。
ICカードを利用すれば、切符を買う必要がないですし、更にオートチャージ機能を付けておけば、残高が少なくなったからといってチャージする必要もありません。百貨店やコンビニ等でもICカードでの支払いが可能になってきている為、益々便利になり、日頃の生活に欠かせない存在になってきています。
ICカード導入による負担
利用者にとっては便利なICカードですが、PASMOやSuica等を導入する自治体や事業者の負担は増えています。
例えば駅でICカードを導入するとなると、改札の改修等の初期費用/導入費用で数億円、またシステムの運営費用も億単位で必要になります。地方のローカル線にとっては簡単に導入する訳にはいかないのが現実です。
とは言うものの、最近は訪日外国人観光客でもICカードを購入して日本国内を移動する人が増えてきているので、利用者の利便性を考えると導入せざるを得ないのかもしれません。
中国ではQRコード決済が普及
中国でも日本同様、ICカードによる支払い方法が進んでいましたが、アリペイやWeChatペイ等の普及が中国全土で広がりを見せている為、まずは各都市のバスの支払いをQRコード方式にすることを決めたそうです。
QRコードはICカードに比べると反応が鈍い為、ラッシュ時等は特に時間短縮を求める利用者にとっては懸念されることが課題の1つでした。そこで、中国交通部は技術改良によって、QRコードの反応速度をあげることを目指し、鉄道よりは比較的時間に余裕を持って利用されるバスでQRコード決済の導入を試してみることにしました。
QRコード決済によるメリット
バスの支払方法をQRコード決済に移行する事によるメリットは、まず、アリペイやWeChatペイ等のスマホ決済から直接支払得るようになる為、チャージする必要がなくなる事です。毎回残高を確認する必要もないですし、バスの運転手がチャージ業務を行う必要もありません。
また、たとえ地域特有のICカードを持っていない観光客でも両替や小銭の計算をせずに電子決済ができることで、利用者にとっても運転手にとっても時間短縮に繋がります。
その他、決済データを解析して路線計画に活用することも可能になります。
バスでのQRコード決済利用者を増やす為に、中国では現金が当たるキャンペーン等も実施し、認知度向上に力を入れています。
日本のタクシー業界で広がるスマホ決済
日本ではバスの代わりにタクシーでのQRコード決済が広がりを始めています。
日本交通は東京23区・武蔵野市・三鷹市で運行するタクシーに、スマホ決済サービスを提供している「Origami Pay」と中国最大手の電子決済サービスである「Alipay」でのQRコード決済方法を導入しました。
現金の出し入れが不要になる為、スマホのみで決済できるこの支払方法は利便性が評価されています。
QRコード決済の使用方法
QRコードを使った支払方法は非常に簡単です。まず、タクシー車内に設置してある専用の端末に支払金額と決済方法の選択画面が表示されるので、Origami Pay、又はAlipayを選択します。すると、選択した端末に合わせたQRコードが表示されるので、そのQRコードをそれぞれのアプリで読み取ると、支払が完了します。
このサービスは、まず東京23区・武蔵野市・三鷹市で運行する約3,500台のタクシーで提供され、その後、全国のタクシー5万台での使用が予定されています。
現在はICカードが一般的に普及している日本ですが、今後はQRコード決済が益々広がっていくかもしれませんね!
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