2017/07/18
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年々訪日外国人数は増加し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本各地でインバウンド対応に力を入れる自治体や企業が多い今日ですが、訪日外国人はそのインバウンド環境をどう感じているのでしょうか。日本の「おもてなし」サービスは実際、訪日外国人からどのように評価されているのか。日本滞在は快適なのか。旅行中はどのような事に困っているのかを、観光庁が公開している資料を元に紐解いていきましょう。
【2014年】①無料公衆無線LAN環境 ②コミュニケーション ③目的地までの公共交通の経路情報の入手
出典: 観光庁 外国人旅行者に対するアンケート調査結果について
【2015年】①無料公衆無線LAN環境 ②施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない(英語が通じない等) ③多言語表示(観光案内板等)
出典: 観光庁 2016/01/12 「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関する現状調査」結果
【2016年】①施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない ②無料公衆無線LAN環境 ③多言語表示の少なさ・わかりにくさ(観光案内板・地図等)
※「困ったことはなかった」を除く
出典: 観光庁 2017/02/07 「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果
首都圏の鉄道網などは、日本人でも複雑だと感じることがあるので、訪日外国人にとっては尚更のことでしょう。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたインバウンド対策として、また年々増える外国人観光客に向けて、少しずつではありますが、公共交通機関での多言語表記やアナウンスを増やそうとしている企業や自治体が増えています。また、外国人観光客用の1日乗車券や3日間の乗り放題パス等を用意している鉄道会社も増えてきているようです。
5年前に来日したイタリア人の友人や3年前に来日したアルゼンチンの友人は、テクノロジーの国である日本なのに、なんでこんなにWi-Fiが整っていないんだ。と、驚いていました。
アンケート結果からも分かるように、訪日外国人が困っている事として無料公衆無線LAN環境が連続トップの課題として挙がったこともあり、全国的にまずは無料のWi-Fi環境を整える傾向に繋がったと考えられます。
日本に住んでいて外出先でWi-Fiをあまり使用しないと気付きにくいですが、最近は自治体や商店街一体でWi-Fi設備を整えるなど、アプリ不要でもWi-Fiが利用できる環境が増えてきています。
一方、最近の観光客は訪日外国人に限らず、日本人でも海外に行く時はポケットWi-Fiを持参する人が増えてきています。個人で通信環境を用意している観光客が増えたことにより、公共施設でのWi-Fi環境が以前ほど必須条件に挙がらなくなったという背景も関係しているかもしれませんね。
公共交通機関の整備や無料Wi-Fiの環境が整うことにより、次のステップとして、多言語表示や多言語コミュニケーションの対策が重要視されるようになってきました。
日本人はたとえ英語で上手くコミュニケーションが図れなくても、ジェスチャーや片言の英語で伝えようとする方が多い為、訪日外国人によっては好意的に感じてくれる場合も多々あります。一方で、人通りの少ない場所やちょっとした時に外国語表記がされていれば、誰かに声をかけなくても、自分で情報を得ることができますよね。
スーパー等で商品を見ていても同様の事が考えられます。
例えば、皆さんがタイを旅行中にスーパーへ買い物に行ったとします。全てタイ語表記のパッケージだったらどうでしょう?いったいこれは飴なのか、ガムなのか、クッキーなのか、、、全く中身が分からないよりは、英語で「candy」と書いてあれば一目瞭然ですよね。(もちろん日本語で「飴」と書いてあれば、より嬉しいですが、日本語は国際的には特殊な言語の部類に入るので、海外で日本語表記を求めるのはちょっと難しいですね。。)
2016年のアンケート調査によると、多言語表示が必要とされる場所の1位は飲食・小売店。2位は鉄道駅・ターミナル。3位は城郭、神社仏閣。そして、鉄道車内、美術館・博物館と続きます。この結果からも分かるように、滞在時に必ず利用する飲食店や交通機関、そして観光施設での多言語対応が求められています。
Wi-Fi環境が整えられてきた今日、より良いサービスを提供する為に、次は多言語対応に取り掛かってみてはいかがでしょうか。
出典: 観光庁 2017/02/07 「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果
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