2018/06/19
自治体の情報発信においても、在住外国人の増加や障がい者対応で二次元コードの利用が増えてきています。
特に視覚障がいの方へは音声による情報伝達が有効だと言われています。国内で音声対応をしている二次元コードを調査しました。
QR Translatorは、QRコードを利用して多言語情報を表示し、音声読み上げ対応も利用することができますが、視覚障がい者への対応として利用されている「音声コード」のUni-Voice:ユニボイスやSPコードも2次元コードを利用して、テキストの読み上げや多言語表示ができるようです。
「Uni-Voice:ユニボイス」と「SPコード」は、同じものかと思っていたのですが読み取り方法や仕様が少し違いました。
このページの目次
「Uni-Voice:ユニボイス」や「SPコード」という名称は、知っていたのですが「音声コード」という形でまとめることができるようです。
音声コード(おんせいコード)は、日本で開発された高密度の二次元記号である。デジタル化された文字情報がコード内に含まれているため、コードを元に音声を出力することが出来る。音声化する機械に活字文書読み上げ装置がある。音声コードを読み取らせることで音声を出力する。
「音声コード」 ーwikipedia
音声コードには、漢字を含めた情報が格納でき、携帯電話(ガラケー)・スマートフォンや専用の読み取り装置を利用して読み込んで音声で読み上げることができるそうです。
携帯電話(ガラケー)・スマートフォンに対応している音声コードは「Uni-Voice:ユニボイス」、
読み取り専用機器が必要な音声コードが「SPコード」になります。
また2つの違いとして、「SPコード」は作成時に男性・女性の音声が選べるそうですが、「Uni-Voice」は専用機械だと男性になるそうです。
音声コードの種類と違い
音声コードは2種類あります。
① SP コード
- 専用の読み取り装置に対応した音声コード
- 作成時に男性、女性の音声が選べます。
- ※携帯電話やスマートフォンでもコードを読み込むことはできますが、正しく読み上げることができません。
② Uni-Voice
音声コードマニュアル ー関東図書株式会社
- 携帯電話やスマートフォン(アプリ)に対応した音声コード
- 音声コードを読み込むと携帯電話に文字として情報が掲載することができます。
- 音声コードを再生する専用機械でも読み込むことができます。その場合は男性の音声です。
「Uni-Voice:ユニボイス」と「SPコード」、それぞれに関して調査しました。
「Uni-Voice:ユニボイス」は、「みんなが読めるソリューション 音声コードUni-Voice」という形でUni-Voice事業企画株式会社のサイトが運営されています。
Uni-Voiceを読み取って利用する際は、専用アプリが必須なのでApp StoreまたはGoogle Playからアプリをインストールして利用します。
弊社、東京オフィスそばの交差点に多言語のUni-Voiceが実際にありました。
標識に表示されている「日本語、英語、中国語簡体字、韓国語」以外の言語は、Uni-Voiceで読み取ると表示されました。
この画像をクリックすると大きくなるので、試しに読み込んでみるとよくわかりやすいです。(上記、アプリのダウンロードが必要です。)
Uni-Voiceサイト内のアプリ説明には「ピントを合わせると、自動的に認識されます」とありますが、天気が曇っていたこともありすぐ読み取れなかったのですが、手動で撮影距離・角度を調整することで読み取りをすることができました。
読み取った音声コードの中には、11言語のテキスト情報が表示されており、アプリに設定している言語があると読み上げることができます。ただ、音声読み上げをするには、設定している言語を対象言語に変更しておく必要がありました。(初期状態では、言語が日本語になっていたようで再生ボタンが押せない状態でした。)
表示されているテキストを機械翻訳すると「ボタンを押して通りを渡ります。安全のために、信号に従ってください。」というような内容が含まれていました。
いろいろ調査している中で「視覚障害を事由として障害年金を受給している方」を対象に、2次元バーコードコード「音声コード(Uni-Voice)」を印刷してお知らせする取り組みを開始したそうです。
SPコードの概要に関しては、wikipediaにわかりやすくまとめられていました。
SPコード(エスピーコード)とは、文字情報を内包した二次元コードの一種で、対応の読取装置で読み取ると、音声で文字情報を聴くことができるコードである。
2003年、株式会社オリジナルデザインと株式会社廣済堂が共同開発したコードである。2009年9月5日より、「視覚障害者用活字文書読上げ装置」として重度障害者(児)日常生活用具の指定品目となった。
作成方法は、SPコードにしたい文章をMicrosoft Wordで作成し、専用ソフトであるSP Code Maker-One Click Editionでデジタル化をする。コードの大きさは、文字数で決まり800文字で18 mm角、1000文字で20 mm角となる。音声は男性、女性の2種類で作成できる。
「SPコード」 ーwikipedia
専用の読み取り装置が必要になるようで、調べていくと開発元である「株式会社廣済堂」が運営している「SP Code」のサイトで購入ができます。
現在は「スピーチオプラス(SPコード読み取り装置)」のみ販売しているようです。価格は49,800円ですが「視覚障がい者用活字文書読上げ装置」として重度障がい者(児)日常生活用具の指定品目であり、原則1割の自己負担でご購入できます。
「音声コード」を調査している中で、「VOICEYE CODE(ボイスアイコード)」というサービスも発見しました。「VOICEYE CODE」は、韓国ボイスアイ社が開発した2次元コードで、600dpi基準(1.8×1.8cm)で3kbyte(約1,500字)まで記録できるそうです。
また興味深い特徴として、正方形だけじゃなく長方形でも利用できるそうです。
視覚障がい者が音声コードの位置を確認することができるように、半円の切り欠き加工を行います。
先程の日本年金機構のサイトにイメージがありました。
※上記、スクリーンショット内にある半円切り欠きの拡大イメージ
片面ページの場合は、コードのあるページの用紙の端に1か所加工を行い、両面ページや複数ページの場合は、コードのあるページの用紙の端に2か所加工をします。
2次元コードの作成には専用ツールが必要になります。
「Uni-Voice」は、2018年6月より「一般法人(営利企業)に対する価格改定による提供価格は、1ライセンス/90,000円(税抜)」に変わりました。
また「SPコード」は、シングルユーザーで7,200円(税抜)から作成ツールが利用できます。お試し版は、機能に制限がありますが無償で提供されています。
「Uni-Voice」「SPコード」ともに、漢字を含む文字データを記録することが可能です。作成される2次元コードの大きさは文字数で決まり、800文字で約18mm角、1000文字で約20mm角となるそうです。
※SPコードは生成時の圧縮率により異なるため、あくまでも目安になります。
テキストデータは二次元コードとして保持されるので、読み込むことができれば通信環境は必要ありません。ただし読み込みには、専用装置かアプリが必要になります。
レーザープリンタ(600dpi以上推奨)となっています。一般的な家庭用のプリンターは、インクジェットプリンターが多いため2次元コードが滲んでしまう可能性があるようです。
QRコードと比べると、センシティブな感じです。「Uni-Voice」のアプリの場合は、低輝度・高輝度アイコンが点滅したら、場所の移動等が必要になります。
大きな違いとしては、音声コードは読み取り側に専用ツールが必要になるところです。QRコードは、スマートホンを始め比較的簡単に読み取ることができます。
マイナンバー制度が施行された際に、日本盲人会連合(日盲連)が総務省に緊急の要望書を提出しました(平成27年12月18日)。内容としては「「音声コード」を読み上げないという問題が多かった」ということです。実際に「読み取り装置であるスピーチオ、テルミー、らくらくホンを持参し、読み取りができない(しずらい)ことを確認してもらった。」との記載がありました。
QR TranslatorのQRコードにはURLの情報しか記載されていないため、コンテンツを見るためには通信環境が必要になります。しかし、印刷したQRTコードはそのままで、コンテンツはいつでも変更することができ音声対応も可能です。さらに1つのQRTコードで最大15言語のコンテンツを表示することもできます。
ユーザーや利用状況、表示するコンテンツの性質に合わせた選択で、よりユーザビリティーの高いサービス提供が可能になるので、ぜひQR Translatorをお試しください。
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