西暦2018年を他の元号で表すと2561年?4351年?それとも1439年?

2018/01/30

日本は今年西暦2018年(平成30年)を迎えましたが、来年には元号が変わると話題になっています。

先日、QR Translatorのコンテンツを制作していると、「クーポンの有効期限は2018年までです。」というテキストがありました。日本語の他にも英語や簡体字、繁体字や韓国語などの多言語展開をしていた為、他の言語を見比べていると、なんとタイ語だけ数字部分が「2561」になっていました!

タイ語だけ年号の数字部分に誤りがあったのかと思い、念の為調べてみたところ、タイには「タイ太陽暦」といった独自の換算方法が用いられていることが分かりました。

日本でも西暦とは別に和暦(現在は「平成」)が使われていますが、他の国でも独自の表示が使われていることがあるようです。

そもそも元号とは?

元号とは一般的に「年号」とも言い、特定の年代に付けられる称号だそうです。

元号(げんごう)は、特定の年代に年を単位として付けられる称号である。年号(ねんごう)とも呼ばれることもあるが、元号のみならず、紀年法の名称(西暦や皇紀など)を「年号」と呼ぶ場合もある。

<一部略>

元号は紀年法の一種であるが、西暦やイスラム紀元、皇紀(神武紀元)などの無限のシステム(紀元)とは異なり、皇帝や王など君主の即位、また治世の途中にも随意に行われる変更(改元)によって再度元年から数え直され(リセット)、名称も改められるという、有限のシステムである。元号の元年は「1年」に当たる。英訳すると、年号は「era name」というのに対して、元号は「finite era name」や「regnal year」となる。

引用元:wikipedia「元号」 

元号と紀元の違い

皆さんは「元号」「紀元」「年号」の明確な違いをご存知ですか?

日本の「明治・大正・昭和・平成」のように、変更(改元)する事によって再度元年から数え直され(リセット)、名称も改められる有限の数え方「元号」です。
一方、西暦やイスラム紀元、皇紀(神武紀元)などのように、ある年を起点(紀元)として数える無限の数え方「紀元」と言うそうです。

つまり、「元号」は時代によって変わることがありますが、「紀元」はいつまでも変わらない表現なのです。そして元号と紀元の両方を総称して「年号」と呼ぶこともあるそうです。

調査した中で、紀元を使っている国は複数ありますが、元号を使っているのは日本だけのようです。

「西暦2018年」を他の紀元で表現すると・・・

実は、日本同様に独自の紀元を使っている(使っていた)国は世界中にいくつもあるのですが、他の国や地域では「西暦2018年」をどのように表現しているのでしょうか。

2561年:タイ、カンボジア、ラオス

前述したように、タイをはじめとしたいくつかのアジア諸国では、「2561年」と表示します。
約500年も未来になってる!!と驚いてしまいますが、実はこれらの国では「タイ太陽暦」といった独自の換算方法が用いられている為、このような表記になっているのです。

「タイ太陽暦」はタイの公式の暦で、釈迦の入滅の日と信じられている西暦紀元前543年を「0年」とする「仏滅紀元」で数えられています。その為、西暦に543年を足せば「タイ太陽暦」になるので、2018年は2561年と表示します。

※仏滅紀元とも呼ばれる仏歴は、釈迦の入滅を起点としています。ただし、ミャンマーやスリランカでは入滅の年を元年と定めている一方、タイやカンボジア、ラオスでは釈迦入滅の翌年を元年としているので、仏歴と言えども、国によって1年間の差が生じます。

2562年:ミャンマー、スリランカ

上述したように、仏滅紀元が入滅の年を元年と定めているので、西暦2018年は「2562年」になります。

2678年:日本

日本では和暦で「平成30年」と表記しますが、実は皇紀という表示もあるようです。
西暦2018年は、平成30年、かつ「皇紀2678年」になります。

皇紀は、日本の初代天皇・神武天皇の即位(西暦紀元前660年)を紀元とすると定められているので、西暦に660を足した「2678年」になります。

4351年:韓国

現在は使われていませんが、韓国では1961年まで「檀紀(だんき)」を公式な場で使用していたそうです。檀君紀元(だんくんきげん)ともいい、朝鮮神話の最初の王檀君王倹の即位(西暦紀元前2333年)を紀元とする紀年法だそうです。
西暦に2333を足し、「檀紀4351年」になります。

1439〜1440年:サウジアラビア

ほとんどのイスラム諸国では公式の暦としては西暦を用いていますが、サウジアラビア政府は国家の公式暦としてウンム・アルクラー暦(メッカ暦。ヒジュラ暦の一種)を採用しているそうです。

ヒジュラ暦は、預言者ムハンマドがマッカからマディーナへ聖遷(ヒジュラ)したユリウス暦622年を「ヒジュラの年」と定めヒジュラ暦元年とする新たな暦だそうです。1439~1440年となっているのは、西暦とはずれているため2018年は「1439~1440年」になります。

wikiの中で驚いたのが暦が違うと法制度上の期限が変わってしまうところですね。

サウジアラビアなどヒジュラ暦を公式の暦としている国では特許や著作権など法制度上の有効期限がグレゴリオ暦で数えた場合よりも短くなる。たとえば特許が15年間有効とした場合、グレゴリオ暦のそれよりも特許の有効期限が165日ほど短くなる。

「第17ラプチュン」の32年目:チベット(Tibet)

西暦1027年からの60年間を「第1ラプチュン」と称し、60年サイクルが導入されたとのこと。60年サイクルは十二支と五行(木、火、土、鉄、水)を組み合わせてできあがるそうです。
これで数えていくと、西暦2018年は「第17ラプチュンの32年目」になります。

国や文化に合わせた翻訳方法

日本の元号を翻訳する際に、西暦に表示し直すことは多いですが、今回ご紹介したように、国によって独自の表現方法がある場合もある為、必ずしも西暦に統一するのではなく、その国に合った表現に翻訳した方が分かりやすいこともあるようですね。

タイ 暦

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