2017/08/03
QR Translatorを運用している中で、「webブラウザ」と「スマートフォンアプリ」どちらがいいのかという問題が常にあります。基本的には目的に合わせて利用しますが、訪日外国人観光客の利便性を考えるとダウンロードの必要がないwebブラウザの方が使いやすいと考えます。そこで、改めてアプリの状況を中心に調査してみました。
総務省の調べによると、年々スマートフォン使用者数は増加しており、2015年には日本国内の保有率は72%に達しました。
スマホの普及により、スマホからインターネット接続する機会が増えたり、色々なジャンルのアプリが日々公開されたりするようになりました。
そんな中、ユーザーが情報を検索する時、ブラウザとアプリのどちらを使う頻度が高いのでしょうか。
ユーザーはどのようなアプリを好み、ダウンロードする決め手は何なのでしょうか。
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2015年のデータですが、Yahoo!が「アプリをダウンロードしたことがある」と回答した2,060人を対象に、アプリの利用に関する調査を行いました。
ニュース等の情報収集をする際、ブラウザとアプリのどちらで閲覧しますか?の質問では、「ブラウザのみで利用する(または利用する方が多い)」と答えたユーザーが全ての年代で65%以上を占めており、圧倒的にブラウザで閲覧している人が多いことが分かります。特に20代はブラウザ派が多く、50代はアプリ派が多い結果になりました。
利用しているスマホでよく使うアプリのジャンルは何か?の質問では、10代から40代までのトップが「SNS」、50代以上は「地図・ナビゲーション」という結果になりました。順番は異なるものの、全ての年代で「SNS」「ゲーム」「地図・ナビゲーション」「動画」の4ジャンルが上位5位に入っています。
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズによると、日本国内でユーザー数の多いアプリの1位は「LINE」、2位は「Facebook」、3位は「Twitter」となっており、コミュニケーションやSNSのアプリがトップ3を占めています。
出典: 株式会社ヴァリューズ
MMD研究所によると、海外旅行時にあったら便利だと思うアプリとして、地図アプリ、翻訳アプリ、無料通話アプリ、通貨換算アプリ、カメラアプリと続く結果になりました。
慣れない土地ではとても助かる地図や翻訳、通貨換算機能、また旅行特有のカメラ機能が人気であることが分かります。
訪日外国人にとっては、上記に加え、乗換案内アプリも人気のようです。複雑な鉄道網、且つ正確な交通機関が発達している日本では必須アプリであるのも頷けます。
出典: MMD研究所 海外旅行に関する実態調査
利用しているスマホにアプリをダウンロードする頻度は?の質問では、20代以上の年代が「2、3ヵ月に1アプリ程度」の回答が最多を占めたのに対し、10代は「月に2、3アプリ程度」と回答し、他の年代と比べると頻度が高いことが分かりました。
利用しているスマホに新規アプリをダウンロードする決め手となる情報は何か?の質問では、20代、40代以上が「家族・友人・知人との会話」が高く、10代では「アプリ・ストアのランキング」、30代では「インターネットでの検索結果」との回答が最も多い結果になりました。
また、アプリのマーケティング情報を分析する会社adjustによると、アプリのダウンロードから1週間後の継続率が良いのはゲーム(Games)やソーシャル(Social)、ビジネス(Business)部門です。一方、継続率が低いカテゴリは飲食(Food & Drink)や旅行(Travel)、エンタメ(Entertainment)です。
出典: adjust
一方、ダウンロードしたアプリを、どのくらいで削除するか?の質問では、20代以上では「1年以上」が最も多かったのに対し、10代では「数ヶ月くらい」との結果が多く、アプリの入れ替えが早い事が分かりました。
アプリには無料でダウンロードできるものと、有料のものがありますが、ライフメディアのリサーチバンクによると、無料のアプリのダウンロード率が92.1%であるのに対し、有料になると11%とかなり低い割合という結果になりました。
アプリの開発には多額の開発費を要し、メンテナンス費用が掛かる上に、管理も大変です。しかし、上記の結果からも分かるように、ユーザーとしては、ブラウザでの検索の方が気軽にでき、余程便利な事が分かっていない限り、アプリをダウンロードしないことが分かります。
日本在住者が国内で使用しているのは、SNS等のコミュニケーション・ツールアプリやゲーム・動画等の娯楽アプリ、その他生活に必要なアプリです。飲食や旅行系のアプリ継続率は他のカテゴリに比べて低い為、海外旅行中を考えたら尚更ダウンロード率が低くなる事が予想されます。
つまり、訪日外国人が増えたからと言って、彼らが数日から数週間の日本滞在中に新たなアプリをダウンロードするかというと、難しいと言わざるを得ない現状があります。
アプリのダウンロード率が減っている中、2016年にGoogleが「Google I/O 2016」でPWA:Progressive Web App(プログレッシブウェブアプリ)を発表しました。PWAとは、簡単に言うとwebブラウザでアプリのように動作させる仕組みです。
Twitterが実際にPWAを利用した“Twitter Lite“(ツイッター ライト)をすでに運用しているので、見て頂くと分かりやすいです。
左側がTwitterのアプリで、右側がTwitter Liteをwebブラウザで見たページです。
アプリでは4つのアイコンが下に表示されますが、ブラウザの場合はブラウザのメニューが出てくることもあり、上部に設置されています。機能的にはほとんど変わらず利用することが出来ます。
ツイートに関しては、ほぼ同じ見た目になっていますね。
参考記事
・PWAに対応したTwitter Liteをツイッターが公開、アプリのような使い勝手をモバイルサイトで実現
・PWA対応したTwitterは毎日100万のユーザーがホーム画面アイコン経由 #IO17JP
ー海外SEO情報ブログ
これが全てではありませんが、アプリでないとやりにくかった(できなかった)ことができるようになります。
ただし、現状だとPWAを利用する為の「Service Worker」には制限があり、残念ながらiOS(iphoneのsafari)はサポートされていない状態です。したがって上記の機能は使えませんが、iOSユーザにとっても使いやすさは良くなるようです。
参考記事
・Service WorkerをサポートしないiOSでもPWAで成果をあげた世界最大のビューティサイト
ー海外SEO情報ブログ
PWAで実現できることは、ユーザーにとっても便利だと思うので、今後iOS(iphoneのsafari)でもサポートされることを期待したいですね。
ここまでの調査を総合して見てみると、用途によって「スマートフォンアプリ」を使うか、「webブラウザ」を使うかは違うものの、アプリのダウンロードがされにくくなっていることに加え、海外に行った時に、その国のアプリをダウンロードする可能性が低い事が分かりました。このような結果から、まずは「webブラウザ」で利用できるようにしておき、ユーザーが更に便利な機能を求めた時に、アプリがダウンロードできるような形が良いのかもしれません。
webブラウザであればダウンロードの必要もなく利用することが出来るので、ユーザーの心理的な障壁は低くなり、より多くアクセスしてもらう事が可能かもしれません。ただし、どのようにwebブラウザで指定のサイト(またはwebページ)にアクセスさせるかという課題は残ります。
もちろん検索してもらうことも出来ますが、その場ですぐにアクセスできるようにしたほうが便利です。
アプリ開発に時間と工数を費やしたものの、実際のサービス利用にあたり、アプリの場合はダウンロードという一つのステップが必要になり、全くダウンロードされない可能性があります。その点、QR Translatorはアプリ不要のwebブラウザを使用するサービスなので、利用者にとってアプリをダウンロードをしてもらう必要もなく一手間省くことができ、本当に知りたい情報へとダイレクトに連携することが可能になります。
QRコードを読み取れる機能はほとんどのスマホに搭載されているか、他のアプリの機能として含まれていることが多いので、QRコードを読み取るだけで多言語情報を入手できるQR Translatorのサービスは、訪日外国人にとっても使いやすいサービスです。
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